薬剤師トレーナーが解説|マンジャロ(チルゼパチド)の副 作用・やめた後のリバウンドと筋肉を守る方法

監修:佐藤タカ(BLUE SUGAR GYM オーナー兼パーソナルトレーナー・薬剤師)
※本記事は医療情報の提供を目的としており、特定の治療法を推奨するものではありません。マンジャロの使用・中止は必ず担当医の指示に従ってください。

「マンジャロを使い始めたけど、副作用が心配」「やめたらリバウンドするって本当?」「筋肉が落ちると聞いたけど、ジムに通えば防げる?」
こういった疑問を、BLUE SUGAR GYMでもよく耳にするようになりました。
はじめに、BLUE SUGAR GYMとしての考えをお伝えします。
体を健康に変えるための基本は、適切な食事管理と継続的な運動です。これは薬の有無に関わらず変わりません。マンジャロのような肥満治療薬は、医師の診断のもとで「食事と運動だけでは対処が難しい」という医療的な必要性がある場合に使われるものであり、手軽に痩せるための手段として気軽に使うべきものではないと私たちは考えています。

ただ実際には、すでにマンジャロを使用している方・中止して不安を感じている方が増えています。そういった方に対して、薬剤師でもあるトレーナーとして正確な情報をお伝えし、運動と食事を土台にした健康づくりへ繋げていただきたいという思いでこの記事を書きました。
この記事は「マンジャロを勧める」ものではありません。やむを得ず使用中・中止後の方が知っておくべき副作用やリバウンドのリスク、そしてジムで筋肉を守るためにできることを、最新の臨床データをもとに正確にお伝えします。

マンジャロ(チルゼパチド)とはどんな薬か
マンジャロは、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)という2種類のホルモン受容体に同時に働きかける、週1回注射するタイプの肥満治療薬です。日本では肥満症・2型糖尿病の治療薬として承認されており、医師の処方が必要です。
この薬の主な働きは3つです。まず食後のインスリン分泌を助けて血糖値を下げます。次に脳の食欲中枢に直接作用して強力な食欲抑制をもたらします。そして胃の動きを遅くすることで満腹感を長持ちさせます。
強力な減量効果がある反面、この記事でお伝えするように筋肉減少・副作用・中止後のリバウンドといった無視できないリスクも伴います。効果が大きい薬ほど体への影響も大きいという点を念頭に置いてください。

実際にどのくらい痩せるか(臨床試験データ)
国内外の大規模臨床試験(SURMOUNT試験シリーズ)で効果が検証されています。
•海外の非糖尿病肥満者2,539名を対象とした72週間の試験(SURMOUNT-1)では、最高用量(15mg)群で平均20.9%の体重減少が確認されました(プラセボ群は3.1%)。
•日本人肥満症患者を対象とした国内試験(SURMOUNT-J・225名)では、10mg群で-17.8%、15mg群で-22.7%という数値が出ており、日本人でも高い効果が示されています。
•2型糖尿病を持つ方を対象とした試験(SURMOUNT-2)では14.7%の減量が確認されており、糖尿病がある方は効果がやや穏やかになる傾向があります。

これだけ見ると理想的に感じるかもしれません。しかし薬剤師として「体の中で何が起きているか」まで把握することが重要です。次のセクションから、見落とされがちなリスクを詳しく解説します。

マンジャロを使うと筋肉はどうなる?体組成変化の実態
減った体重のうち、脂肪と筋肉がどんな割合で減っているかを「体組成変化」といいます。マンジャロの場合、この数字が重要です。
「減った体重の約25%は筋肉」という現実
SURMOUNT-1試験のサブスタディ(体組成を詳しく測定)では、体重が大幅に減少した際に「脂肪量は33.9%減少したのに対し、除脂肪量(筋肉・骨などを含む)は10.9%減少」していたことが確認されています。
簡単にいうと、10kg痩せたとしたらそのうち約2.5kgは筋肉が減っているということです。この比率は年齢・性別・減量量に関わらずほぼ一定です。
これは食事制限による急激な減量全般に共通するリスクですが、マンジャロは食欲を強制的に抑えるため、十分に食べられない状態で放置すると筋肉の分解が特に進みやすくなります。

さらに深刻なケースも:「筋肉が枯渇するタイプ」の存在
約67万人のGLP-1系薬剤使用者の実際の診療データを解析した最新研究(2026年・査読前プレプリント)では、使用者を2つのタイプに分けています。
•「プライムタイプ」:体重が10%以上減少しているのに筋肉の減少が5%未満に抑えられている、理想的な体組成変化ができているグループ
•「デプリーティブタイプ」:体重が20%以上減っているにもかかわらず筋肉も5%以上激減している、筋肉が枯渇しているグループ

適切な運動・栄養サポートなしに使用している方の多くが後者に近づくリスクがあることを、このデータは警告しています。
※このデータは査読前プレプリント(medRxiv)のものです。今後の研究でさらに検証される予定です。

マンジャロの主な副作用・注意すべき弊害
薬剤師として、副作用についても正確にお伝えします。副作用の多くは用量を増やしていく期間(漸増期)に最も強く現れ、時間とともに和らいでいく傾向があります。

最もよく見られる消化器症状
大規模な自己報告データ(67,008名)では、チルゼパチド使用者において以下の頻度で症状が報告されています。
•吐き気(悪心):約29%
•便秘:約13%
•疲労感:約15%
•嘔吐:約11%
•下痢:約13%

なお「吐き気があるから痩せる」わけではありません。臨床試験の解析では、吐き気・嘔吐による体重減少効果は全体のわずか3.1%で、減量の大部分は薬理的な食欲抑制によるものです。

見落とされがちな副作用
FDA(アメリカ食品医薬品局)の有害事象報告システム(FAERS)の解析や症例報告から、以下のような副作用も確認されています。
•皮膚のたるみ:急激な体積減少に皮膚が追いつかないことによるたるみ
•月経不順:閉経後出血・稀発月経・頻発月経などの婦人科系の変化
•筋肉痛・頭痛:特に注射後24〜72時間にピークとなる首・肩・背部の痛み
•急性膵炎:0.32〜0.39%の発症率が報告。腹痛が強い場合は即受診
•胆石・胆嚢炎:急激な体重減少に伴うリスク

注射部位を変えると筋肉痛・頭痛が改善することがある
症例報告によると、腹部への注射を大腿部(太もも)や上腕部へ変更することで、首・肩の痛みや頭痛が劇的に改善した事例が報告されています。注射部位ごとに薬の吸収速度や体への影響が異なるためと考えられています。副作用が強い場合は担当医に注射部位の変更を相談してみてください。

マンジャロをやめると何が起きる?リバウンドのリアル
多くの方が最も心配するのが、薬をやめた後どうなるかではないでしょうか。
やめると「月0.8kgのペース」で体重が戻る
肥満治療薬(GLP-1系・GIP/GLP-1系)の中止後を調べた系統的レビュー(37研究・9,341名)によると、薬をやめた場合は平均して1か月あたり0.8kgという速いペースで体重が戻ります。このペースは古い世代の減量薬(平均0.4kg/月)の2倍です。
つまり特別な対策をしなければ、約1年半(18か月)で治療前の体重にほぼ戻ると予測されています。

実際の試験データで確認されたリバウンド
マンジャロの大規模試験(SURMOUNT-4)では、36週間の投与で平均20.9%の体重減少を達成した後、薬をやめて52週間追跡しました。その結果、中止群は1年間で平均+14.0%の体重増加(リバウンド)が起き、減量を維持できたのは参加者のわずか16.6%だけでした。
また継続した場合と中止した場合を比較した試験(SURMOUNT-MAINTAIN)では、中止したグループの67%が「減量分の50%以上をリバウンド」しました。薬を継続したグループではリバウンドが8%に抑えられています。

リバウンドは「見た目の問題」だけではない
SURMOUNT-4試験の詳細分析では、リバウンドの程度が大きいほど血圧・血糖・コレステロール・インスリン抵抗性といった代謝指標がすべて悪化することが明らかになっています。
マンジャロをやめてリバウンドするということは、単に体重が戻るだけでなく、動脈硬化・糖尿病リスクに直結する体の状態まで治療前より悪化する可能性があります。
※なぜリバウンドするか:薬によって一時的に「上書きされていた」食欲の仕組みが、薬をやめると急速に元に戻るためです。これは意志の弱さではなく生物学的なメカニズムです。

リバウンドと筋肉減少を防ぐために今すぐできること
マンジャロの使用中・中止後にかかわらず、リバウンドを防ぐ最も効果的な手段として科学的に示されているのが「運動習慣の構築」です。食事と運動こそが根本であり、薬はあくまでもその補助に過ぎません。

なぜ運動がリバウンド防止に有効なのか
GLP-1系薬剤(リラグルチド)を使った試験(S-LiTE試験・195名)では、薬だけで痩せたグループが薬をやめた後の1年間で脂肪量の70%以上をリバウンドしたのに対し、週150分の中〜高強度運動を習慣化していたグループは、薬をやめた1年後も体重が5.1kg低く、体脂肪率も2.3ポイント低い状態を維持していました。
※この試験はリラグルチド(GLP-1のみ)を使用したものです。チルゼパチドの直接データではありませんが、GLP-1系薬剤全般のリバウンド防止における運動の有効性を示す知見として参照しています。

運動がリバウンドを防ぐのは、筋肉量を守ることで基礎代謝を維持できるからです。筋肉が減ると「じっとしていても消費されるエネルギー量」が減り、少し食べただけでも太りやすい体になってしまいます。

薬を使っている間こそ「筋トレ」が必要な理由
2025年の研究では、MRI画像解析によって「日常的に自己流の軽い運動をしていた患者でも、マンジャロ投与中に体幹部の筋肉量が9.3%減少していた」ことが確認されました。
ウォーキングや軽い運動だけでは薬による筋肉の消耗を食い止めることはできません。筋肉に負荷をかける筋トレ(レジスタンストレーニング)が必要です。

具体的にどんな運動を、どのくらいやればいい?
現在進行中の複数の臨床試験プロトコルを参考にすると、以下が目安になります。
•週2〜3回の筋トレ(スクワット・ベンチプレス・ラットプルダウンなど主要な筋群を使う種目)
•週150分以上の中強度有酸素運動(速歩き・自転車こぎ・水泳など)
•タンパク質は体重1kgあたり1.6〜2.2gを目標に摂る(食欲抑制でタンパク質不足に陥りやすいため意識的に補う)

マンジャロの食欲抑制で胃が小さくなっている場合は、1回の食事量を無理に増やさず、少量を回数多く食べる(1日5〜6回の分食)か、プロテインを活用してタンパク質を補いましょう。

BLUE SUGAR GYMでできること
BLUE SUGAR GYMでは、薬剤師でもあるトレーナーが在籍しているため、マンジャロをはじめとする肥満治療薬を使っている方の運動・栄養サポートが可能です。
•マンジャロ使用中の方:筋肉を守るための負荷設定・メニュー構成のご提案
•中止を検討している方・中止した方:リバウンドを防ぐための運動習慣づくりと栄養アドバイス
•副作用(疲労感・筋肉痛)がある方:体調に合わせた運動強度の調整

繰り返しになりますが、私たちは薬に頼らず食事と運動で体を変えることが最善だと考えています。一方で、医師の指示のもとマンジャロを使っている方がジムに来てくださることは大歓迎です。薬の効果をより安全に・より長続きさせるために、運動は強力な味方になります。
「マンジャロを使っているけどジムに通っていいの?」という疑問をお持ちの方も、ぜひ気軽に無料体験にお越しください。現在のお体の状態をお聞きした上で、安全なメニューをご提案します。

まとめ
マンジャロ(チルゼパチド)について、薬剤師の視点からのポイントをまとめます。
•体を変えるための基本は食事管理と運動の継続。マンジャロはあくまでも医療的に必要な場合の補助手段
•マンジャロは強力な減量効果があるが、減った体重の約25%は筋肉が占める
•主な副作用は吐き気・便秘・疲労感で、漸増期に最も強く時間とともに和らぐ
•注射部位を腹部から大腿部・上腕部に変えると筋肉痛・頭痛が改善することがある
•薬をやめると月0.8kgのペースでリバウンドし、約18か月で元の体重に戻るデータがある
•リバウンドは見た目だけでなく、血圧・血糖・コレステロールなど代謝指標の悪化も引き起こす
•リバウンドを防ぐには「筋トレ+有酸素運動の習慣化」と「十分なタンパク質摂取」が最も効果的
•薬の使用・中止の判断は必ず担当医に相談する

薬は体への一時的な介入に過ぎません。薬をやめた後も健康な体を維持するためには、運動と食事の習慣が不可欠です。マンジャロを使っている方も、いつかは薬なしで自分の体をコントロールできるようになることをゴールに、今から一緒に運動と食の習慣をつくっていきましょう。

まずは無料体験から始めてみませんか?
BLUE SUGAR GYMでは、魚沼市・南魚沼市のどちらの店舗でも無料体験を随時受け付けています。マンジャロ使用中・中止後のご相談も、薬剤師トレーナーがお応えします。
▼ 無料体験のご予約はこちらから
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【この記事を書いた人】
佐藤タカ|BLUE SUGAR GYM オーナー兼パーソナルトレーナー・薬剤師
薬剤師として培った医学・薬理学・栄養学の専門知識をもとに、科学的根拠に基づくトレーニング指導を行っています。食事と運動による体づくりを基本としながら、肥満治療薬と運動の関係についても最新の臨床データを継続的に調査しています。「続けられるジム」をモットーに、魚沼・南魚沼エリアの皆さんの健康づくりをサポートしています。

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【主な参考文献】
・SURMOUNT-1試験(NEJM 2022):チルゼパチドの72週間RCT、2,539名
・SURMOUNT-J試験(PubMed 2024):日本人対象の第3相臨床試験
・SURMOUNT-4試験:チルゼパチド中止後のリバウンドに関するRCT
・SURMOUNT-MAINTAIN試験(ACC 2026):継続投与の維持効果に関するRCT
・Oxford大学系統的レビュー(2026):肥満治療薬中止後のリバウンド速度(37研究・9,341名)
・S-LiTE試験(NEJM 2021):GLP-1系薬剤と運動のリバウンド防止効果(リラグルチド使用)
・FAERS解析(PMC 2025):チルゼパチドの有害事象報告システムデータ
・SURPASS-3 MRIサブスタディ(PubMed 2025):筋体積・筋肉内脂肪への影響

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